「教育」カテゴリーアーカイブ

教育に穴があく?

来年4月に、県費負担教職員(義務制の学校の教職員は原則として県から給与が出ているのでこのように呼んでいます)が政令市に権限移譲(給与の支払いが政令市に移譲され、それに伴い様々な労働条件も政令市で定められる)されることに伴い、臨時教職員の任用で大きな問題が浮き彫りになってきました。

愛知県の職員だったこれまでは、産育休や病気の先生の代わりに任用される臨時教員は、任用期間が終了した後、1日の再雇用禁止期間を経て、同じ学校で、もしくは他の学校で任用されていました。(もちろん回せる仕事がなく失業してしまうケースもありましたが、それはあくまで仕事がない場合の話です)

しかし、名古屋市の場合、産育休や病気の先生の代わりに任用された臨時教員は、任用期間が終了した後、2か月の再雇用禁止期間を経なければ再び任用されないというルールとなっています。

今、そのことを知った臨時教員のみなさんが、名古屋市で働き続けられないなら他の自治体に、という声も上がっている状況。

このままでは名古屋市の教育を支える人たちがいなくなってしまう、そのようなことにしてはいけないと、臨時教員や保護者らが市民のつどいを開きました。

参加者は100名を超え、マスコミも来て報道されました。

集会の最後には、市民の会を結成することが了承され、議員との懇談や名古屋市との懇談が進められることになりました。

 

私もこの間、この問題について全国の状況を調べていますが、他の政令市では名古屋市のような状況はなく、比較的長期間再雇用禁止期間があった自治体でも、権限移譲を契機に改善をしようという動きがあることがわかってきました。

 

名古屋市の学校に通う子どもたちの教育環境を悪くさせないためにも、そして教育環境を支える教職員が働きやすい環境を整えるためにも、頑張らなければと、そう思わせてもらえる集会でした。

名古屋市会11月定例会・本会議質問

名古屋市会11月定例会の本会議質問が25日・28日・29日の3日間行われました。

日本共産党名古屋市議団からは、さはしあこ議員、西山あさみ議員、くれまつ順子議員、青木ともこ議員、岡田ゆき子議員の5人が質問に立ちました。

今回の質問では、様々な面で前進を見ることができました。

さはし議員の質問では、災害時、妊産婦・乳幼児を対象とした福祉避難所の設置に向けた検討が始まることに。

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西山議員の質問では、新堀川の悪臭問題の解決に向けた関係局の取り組みを進めることを約束させました。

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%e6%96%b0%e5%a0%80%e5%b7%9d%e5%86%99%e7%9c%9f新堀川の状況。黒い部分は水面に上がってきたヘドロ

くれまつ議員は、内部障害など、外からではわからない障害や病気の方が交通機関などで配慮してもらえるように、東京都で導入されているヘルプマークを名古屋市でも取り入れるべきではないかと提案をし、河村市長が「いいことだと思う。広域的にやる必要もあるからすぐに大村(愛知県)知事に連絡する」と答えさせました。

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東京都で導入されているヘルプマーク
現在京都府・和歌山県・徳島県などでも導入
来年度には岐阜県でも導入予定

青木議員は、昨年11月に発生したいじめ自死事件の検証報告書を基に、いじめをなくすための教育委員会の取り組みについて質問。中学校2年生への35人以下学級実施に向けた検討を約束させました。

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岡田議員は、就学援助の支給時期、特に入学準備金について、現在6月支給となっているものをお金が必要となる時期に支給できるようにすべきではないかと提案し、河村市長も「それはとてもいいこと。勉強させてほしい」と、前向きな回答をさせることができました。

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市議団では、これらの質問を作っていくにあたって、実現するためにはどうしたらいいか、団で練り上げて質問に臨んでいます。その結果がたくさん出た今回の本会議だったように感じます。

まだまだ11月定例会は続きますが、各議案に対して、しっかりと考えていきたいと思います。

小学校給食調理業務民間委託の拡大!?

10月14日(金)、教育子ども委員会が開かれ、小学校給食の調理業務民間委託の今後の方向性についての所管事務調査が行われました。

今回当局からは、2017年4月から、5校程度で給食調理業務の民間委託を拡大、2018年度以降も順次拡大という方針が示されました。

2016年4月から、西山(名東)、大清水(緑)、荒子(中川)の3校において実施されている給食調理業務民間委託ですが、すべての学校で異物混入が起こっており、また調理ミスを起こした事業者もあります。

8月に行った、給食調理業務民間委託の現状についての所管事務調査(教育子ども委員会)でも、当局が「直営に比べ事故の頻度が高い」と認める発言をしている中、さらに民間委託を広げようとしていることそのものが大きな問題です。

そもそも、なぜ給食調理業務を民間委託しようとしているか。

名古屋市の「定員管理の方針について」を基に、定員削減、現業職(給食調理員などの技能労働者)の退職者不補充という方針のもと、給食調理員の補充ができないためというのが、今回の説明です。

公務員は減らせという声も聞きます。しかし必要な公務員は雇用する、これは誰が考えても当たり前ではないでしょうか?それをしてこなかったツケを子どもたちに払わせる。このようなことが許されていいのでしょうか?

 

そもそも、保護者のみなさんに、市の退職者不補充という方針を知らせないで、いきなり人がいないから民間にします、という説明をするというのはあまりにも無責任ではないかということを当局に対して意見もしましたが、当局は「ご理解いただきたい」と答えるのみ。

市民のみなさんとの共同で、給食調理業務の民営化をストップさせていかなければと強く感じています。

教育委員会関係の決算審査

今日は教育委員会関係の決算審査に臨みました。

私は大きく4点について質問。

まず1つ目は子ども応援委員会・いじめ対策関係。

2015年度は西区の中学生のいじめ自殺事件が発生した年。そうしたこともあり、相談体制はどのようになっていたのか、いじめ対策はどのように進めていたのかなど、確認していく項目がいくつかあるため、まずは今日は、項目別の相談件数、そしていじめの認知件数についての資料を請求、それを基に6日に行われる総括質疑で質問をしようと考えています。

2つ目は教職員の負担問題。

学校の先生の仕事の時間が長時間化していることがマスコミなどでも問題として指摘されています。それと同時に休職している教員も多いと言われています。それらの原因は何か、様々な角度から見ていかなければならないと感じていますが、その1つとしては部活動の問題があると言われています。この事についても質問をしていきましたが、他党の議員が関連質問として、部活動で土日に出てきた教員に対して支払われる手当ては、どれぐらいなのかと聞き、4時間以上で3000円との回答に、多くの委員から「最低賃金以下じゃ…」という声が漏れていました。(実は教員は時間外労働が法律上超勤4項目と言われるもの以外は認められていないため、部活動に対する手当てが出されているのも特例的な扱いです。)

これも資料を請求しているので、それを受けて総括質疑をしていきたいと思っています。

3つ目が特別支援学校の老朽・狭隘化について。支援を要する児童生徒の増加、特に高等部の増加に伴う教室不足などに対する市の検討内容の確認及び、特別支援学校の整備が必要と捉えているのかという点についての確認を行いました。

最後の4つ目が栄にある教育館の移転改築について。東区泉1丁目への移転についての検討が行われているということでしたが、現在地の跡地利用については、住宅都市局及び財務局と話し合って決めていくということでした。

 

明日は、午前中に証拠書類検査、午後から子ども青少年局関係の総括質疑です。

どういった視点で質問をしていくか、しっかりと準備をして臨みたいと思います。

教科書展示会

6月11日から7月5日まで、鶴舞中央図書館、名古屋市教育センター、西図書館、中川図書館、天白図書館、南図書館の6か所で教科書展示会が開催されています。

今年は中学校教科書の採択の年。ということで、市民のみなさんから意見を出してもらおうと、展示、意見募集が行われています。

子どもが使う教科書、どのようなものが使われるかは非常に大事なもの、ということは、誰もが持つ思いですが、特定の政治思想を押し付けるような動きもあるのが今の状況です。

ぜひみなさん、ご自身の目で、教科書の読み比べをしていただき、ご意見を出していただきたいとお願いします。

教育シンポジウム

昨日、7日(日)に行われる予定の教育シンポジウム「中学校の歴史学習を進めるために 望ましい歴史教科書とは」に関連して、党市議団として教育委員会に申し入れを行いました。

教育の中身には政治がかかわるべきではないという姿勢は堅持しつつも、今回のシンポジウムでは、教科書執筆にかかわる人物がパネリストとして参加することとなっており、文部科学省が教科書会社宛に出している通知に反することになると判断しての申し入れです。

教育委員会は「あくまで教科書執筆者の立場ではなく学識経験者を呼んでいる。教科書の名前を出さないように依頼はしている」という回答でしたが、いくら違うと言っても市民から見たら教科書執筆者であると判断するのではないかと思います。

以下、申し入れ文を載せておきます。

2015年6月3日
名古屋市教育委員会
教育委員長 服部はつ代 様

日本共産党名古屋市会議員団
団長   田口一登

公正で民主的な教科書採択を求める申し入れ

今年の夏は、4年に1度の中学校教科書採択が行われる。名古屋市では、教科用図書採択にあたり、教科用図書調査研究協議会、教科用図書調査専門委員会、教科書展示、意見聴取会を経て、教育委員会が採択を行ってきた。
今回、教育委員会は、従来の意見聴取会を市民公開の「シンポジウム」形式により学識経験者から意見聴取を行うとして、採択期間中の6月7日に教育シンポジウム「中学校の歴史学習を進めるために~望ましい歴史教科書とは~」を開催しようとしている。

このシンポジウムは、4人のパネリストがディスカッション形式で発言するものとなっているが、パネリストはすべて教科書執筆者当人である。採択期間中に学識経験者から意見を聞くことはあっても、執筆者当人に意見を聞くということは、文部科学省が教科書発行者に出した通知(平成19年)「教科書の採択に関する宣伝行為等について」にあるように「採択期間中において、教科書に関する講習会又は研修会等を主催せず、原則として、関与しないこと。また、同期間中において、編著作者をこれらに関与させないこと」との通知の精神を踏まえれば、教育委員会が主催するとはいえ、このようなシンポジウムを開催することは重大な問題である。

さらに、この中には過去の侵略戦争と植民地支配を美化する教科書の執筆者―石井昌浩氏(育鵬社)、藤岡信勝氏(自由社)―がパネリストとして参加している。選定対象の中学校歴史教科書が8社から出版されているにもかかわらず、パネリストは4社4名で、うち2名が侵略戦争を美化する執筆者という構成は、「特定の教科書への肩入れになるのでは」との市民からの批判は免れない。
文部科学省は本年4月、「平成28年度使用教科書の採択について」にて「静ひつな採択環境を確保するため、外部からの働きかけに左右されることなく、採択権者の権限と責任において公正かつ適正な採択を行うこと」を通知したところである。
文科省の通知すら逸脱するものになりかねない。よって、以下の点を申し入れる。

1  6月7日実施の教科書シンポジウムの内容を変更もしくは中止すること。

以上

なお、このシンポジウムは一般の傍聴もできるというものになっています。

もしおじかんが許すようでしたらぜひ傍聴へお出かけください。

詳しくは名古屋市のホームページをご覧ください。

ナゴヤ子ども応援会議

24日(日)、名古屋市で初めての総合教育会議「ナゴヤ子ども応援会議」の開催があるということで、名古屋市科学館サイエンスホールに行ってきました。この会議は原則公開ということで、教職員の方をはじめたくさんの方が傍聴に来られていました。

議長には河村たかし市長、そして会議の構成メンバーは教育委員という構成のものです。

時折、市長の発言の中でうんうんと思うところもありましたが(「子どもが行う「3分間スピーチ」で、下手にテーマ決めるよりも自由に意見を言わせた方が良いと思う。原発とか集団的自衛権とか、賛成でも反対でも。違う意見の中にはこういうものもあるということのフォローも必要だが、それがなければ自分の意見も持てない」といった中身)、全体的には会議というよりもプレゼンといった感じのものでした。。。

写真に添付した大綱に対しては、教育委員のメンバーから市長に対して異議も出されていましたが(一つ目の「教育」から「Education」へ、というものに対して、「教」の字の由来はムチから来ているわけではないという説もあり、これについては削除してほしい、というもの)、気になるんだったら保留にしてくれればいい、その意見は少数意見だし、わしゃマニフェストでも言ってきたんだから変えるつもりはない、と発言。最終的には教育委員側も子どもたちが自ら学ぶことが大事だという思いは同じとして、この大綱に賛成し、市長が署名をするという感じのものでした。

署名後、参加者からの感想、意見も出されていましたが、名古屋市を含めた愛知県の高校進学率が全国で最低であることなど、市長はじめとして教育委員の方々が知らなかった様で、あわててメモを取ったり、市長からも「そんな状況だったらしっかり変えていかなあかん」という発言もあり、子ども応援と言いながら、実態を見ていてないことも浮き彫りとなるものだったと感じました。

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