教育シンポジウム

昨日、7日(日)に行われる予定の教育シンポジウム「中学校の歴史学習を進めるために 望ましい歴史教科書とは」に関連して、党市議団として教育委員会に申し入れを行いました。

教育の中身には政治がかかわるべきではないという姿勢は堅持しつつも、今回のシンポジウムでは、教科書執筆にかかわる人物がパネリストとして参加することとなっており、文部科学省が教科書会社宛に出している通知に反することになると判断しての申し入れです。

教育委員会は「あくまで教科書執筆者の立場ではなく学識経験者を呼んでいる。教科書の名前を出さないように依頼はしている」という回答でしたが、いくら違うと言っても市民から見たら教科書執筆者であると判断するのではないかと思います。

以下、申し入れ文を載せておきます。

2015年6月3日
名古屋市教育委員会
教育委員長 服部はつ代 様

日本共産党名古屋市会議員団
団長   田口一登

公正で民主的な教科書採択を求める申し入れ

今年の夏は、4年に1度の中学校教科書採択が行われる。名古屋市では、教科用図書採択にあたり、教科用図書調査研究協議会、教科用図書調査専門委員会、教科書展示、意見聴取会を経て、教育委員会が採択を行ってきた。
今回、教育委員会は、従来の意見聴取会を市民公開の「シンポジウム」形式により学識経験者から意見聴取を行うとして、採択期間中の6月7日に教育シンポジウム「中学校の歴史学習を進めるために~望ましい歴史教科書とは~」を開催しようとしている。

このシンポジウムは、4人のパネリストがディスカッション形式で発言するものとなっているが、パネリストはすべて教科書執筆者当人である。採択期間中に学識経験者から意見を聞くことはあっても、執筆者当人に意見を聞くということは、文部科学省が教科書発行者に出した通知(平成19年)「教科書の採択に関する宣伝行為等について」にあるように「採択期間中において、教科書に関する講習会又は研修会等を主催せず、原則として、関与しないこと。また、同期間中において、編著作者をこれらに関与させないこと」との通知の精神を踏まえれば、教育委員会が主催するとはいえ、このようなシンポジウムを開催することは重大な問題である。

さらに、この中には過去の侵略戦争と植民地支配を美化する教科書の執筆者―石井昌浩氏(育鵬社)、藤岡信勝氏(自由社)―がパネリストとして参加している。選定対象の中学校歴史教科書が8社から出版されているにもかかわらず、パネリストは4社4名で、うち2名が侵略戦争を美化する執筆者という構成は、「特定の教科書への肩入れになるのでは」との市民からの批判は免れない。
文部科学省は本年4月、「平成28年度使用教科書の採択について」にて「静ひつな採択環境を確保するため、外部からの働きかけに左右されることなく、採択権者の権限と責任において公正かつ適正な採択を行うこと」を通知したところである。
文科省の通知すら逸脱するものになりかねない。よって、以下の点を申し入れる。

1  6月7日実施の教科書シンポジウムの内容を変更もしくは中止すること。

以上

なお、このシンポジウムは一般の傍聴もできるというものになっています。

もしおじかんが許すようでしたらぜひ傍聴へお出かけください。

詳しくは名古屋市のホームページをご覧ください。