9月定例会が終わりました。
高橋は、一般会計決算認定案に反対の立場で討論に立ちました。
討論の内容は以下の通りです。
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日本共産党名古屋市議団を代表して、2016年度名古屋市一般会計決算の認定に反対の立場から討論します。
反対する第一の理由は、市民税5%減税を継続し、その財源づくりとして、行革の名で市民負担増と福祉・教育の民営化を進めたからです。
昨年度の市民税減税額は約116億円。個人市民税が減税された市民の53%は減税額5,000円以下。法人市民税を納めた企業の93%は減税額が5万円以下です。一方、個人市民税の減税最高額は386万円、法人市民税では、ある運輸通信業の企業で1億3,900万円の減税です。
「市民税5%減税」は、大企業・高額所得者を優遇して市民の間に格差を広げ、また意図的に財源不足を作り出すことで、公的福祉の縮小・解体を進める「行革」のテコにされてきました。
この年は、4つの公立保育所が民間移管され、さらに7ヶ園について民間移管の準備・選定が進められました。味鋺保育園では、公募に応じる事業所がなく、要件を下げてまで再公募したあげく、老人施設で暴行事件が起きた法人が選定され、保護者に不安が広がりました。保育に対する公的責任の低下は認められません。
また、小学校給食調理員の退職者不補充を根拠に、荒子・大清水・西山小での給食調理業務を民間委託しました。1学期には立て続けに4件の異物混入事故を起こし、教育長も謝罪をせざるを得なかったにも関わらず、新たに5校拡大する準備を進めたことは、認められません。
さらにこの年は、図書館改革、市立幼稚園、市立高校の在り方についても、それぞれ図書館の再編縮小、商業高校廃止などの調査・検討が行われました。子どもや親など、当事者の意見を聞くことなく、市民の学びの機会を奪うことにつながる構想が進められたことは、到底容認できるものではありません。
第二の理由は、リニアを起爆剤とする名古屋駅周辺開発や名古屋城天守閣の木造復元などの大型事業を優先させる施策を進めてきたからです。
年度末の今年3月27日、環境局は名古屋駅前などの特定都市再生緊急整備地域に指定されている名古屋・伏見・栄地区において大規模建築物の環境アセスメントの対象をこれまでの「高さ100メートル以上かつ延べ面積5万㎡以上」だったものを、「高さ180メートル以上かつ延べ面積15万㎡以上」に緩和しました。その2日後、ある民間鉄道会社が、地上150メートルから180メートル、南北400メートルの巨大ビル建設を進める「名古屋駅地区再開発全体計画」を発表しました。しかし要件の緩和によって、この計画に対しては環境アセスが不要になると言われています。環境アセスは、開発と環境保全を両立させる重要なものであるにも関わらず、環境よりも開発を優先させるための緩和であります。環境首都を目指す名古屋の後退と言わざるを得ません。
名古屋城天守閣の整備については、木造天守を2020年7月までに完成させるために505億円かけて進めようとしてきました。市民に行った2万人アンケートでは、市長が提案した「2020年7月までに優秀提案による木造復元を行う」と回答した市民は21.5%で最下位であったにも関わらず、市長は木造化について、62.1%が賛成だとして、あくまで2020年7月にこだわった木造化を進めようとしてきました。アンケート結果を無視して進めようとしたことから、6月議会、9月議会、11月議会と継続審査となり、その間、完成期限を2022年7月、そして2022年12月へと変更しました。市民への説明責任も果たさず、木造化を急いで進める、強引な進め方では、市民が誇れる名古屋城には到底なりえません。まずは、天守閣の耐震・劣化対策を行い、石垣の保全を最優先する。その後、木造復元については、市民の声を聴きながら、じっくりと検討すべきです。
以上、反対の理由を申し上げてきましたが、昨年度、私たち共産党市議団が実施した市政アンケートでは、河村市政・安倍政権のもとで、暮らし向きが「悪くなった」と答えた方が4割に上り、市政に望むことは、「無駄な公共事業の削減」「介護保険料・利用料軽減」「敬老パスの維持・拡大」でした。私たちは、税金の無駄遣いを許さず、市民の暮らしや福祉の願いを実現するために全力を尽くす、その決意を申し上げまして、討論を終わります。
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