6月9日~11日、名古屋港管理組合議会(名港議会)6月定例会が行われました。
初日の本会議では議長・副議長選挙が実施されました。結果は以下の通りです。
名港議会 議長・副議長 選挙の結果議長 岡本 善博 27票 山口 清明 2票 (無効 1票)副議長 深谷 勝彦 28票 高橋 ゆうすけ 2票 |
その後、常任委員会の選出が行われ、私は「企画総務委員会」に、山口清明議員は「港営建設委員会」に選出されました。
また、一般質問も行われ福田誠治議員(公明)、山口清明議員(共産)、田辺雄一(公明)が質疑・質問に立ちました。
二日目には企画総務委員会、港営建設委員会の各常任委員会が行われました。
企画総務委員会の中で、私も質問を行い、以下のようなやり取りを行いました。
「特例港湾運営会社の制度導入により、一般会計では約1億2千万円の収支の減少になります。歳入だけを見ると7億3千万円も減少することになります。本会議では「将来的に・・・新たな収入が確保できる」とまでしか答弁がありませんでした。何年先にはこうなるなど、もう少し具体的な見通しは示せないのでしょうか?」
「コンテナ機能強化をはじめとしたハード施策や関係機関との連携による企業誘致をはじめとしたソフト施策を総合的に取り組むことにより平成30年代前半までに新たな収入を確保できると考えている」
「昨日の本会議で、国際バルク戦略港湾の大衆品目であるトウモロコシの輸入量が150万トンから200万トンへ、50万トン増えると見込むとのことでしたが、50万トンのために北浜ふ頭67ヘクタールを埋め立てるのですか?この埋め立て費用の想定はいくらかかるのですか?」
「「名古屋港国際バルク戦略港湾プログラム」において整備費用は約220億円と試算。これまでに行ってきた土質調査等を踏まえて引き続き精査する」
「埋め立てについて、国の負担はあるのですか?」
「国の負担はない」
「港湾計画改定案では、現在の水深12メートルを14メートルまで掘り下げるとしています。しかしバルク計画書で名古屋港が国に提案し承認されたのは推進17メートルです。埋め立てさえできれば、水深は計画書で提案した17メートルでなく14メートルでも、見込んだ貨物量の増加には対応できるという判断ですか?」
「推進14メートル化して、穀物輸送における現行の最大船舶であるパナマックス船を最大活用するとともに、引き続き水深17メートル化してパナマ運河の拡張を踏まえたポストパナマックス船の最大活用、新食糧コンビナートの形成により、貨物量の増加だけでなく、輸送コストの削減や効率的な運用を通じて、穀物の安定的かつ安価な供給にこうけんすることを目指す」
「飛島ふ頭内のコンテナターミナルでも近海航路を取り扱っていると本会議では答弁がありましたが、資料3を見ると平成26年は、近海航路の中国・韓国航路のコンテナ取扱個数は97万、資料2では鍋田ふ頭の取扱個数は109万で、個数に差があります。鍋田ふ頭での近海航路以外はどの航路のコンテナでどれほどの取扱量となっていますか?」
「近海航路の取り扱いは約90万個、それ以外は東南アジア航路で約19万個取り扱っている」
「4つある飛島ふ頭のコンテナターミナルで、近海航路の取扱実績と近海航路全体における比率はどうですか?」
「飛島北CTでは約25,000個で、近海航路全体の2.6%、飛島南CTでは取り扱いなし、NCB CTでは約2,700個で0.3%、飛島南側CTでは約40,000個で4.1%」
「東南アジア航路がここ5年ぐらいで倍増しています。どこの国とのどんな貨物のやり取りが増えているのですか?」
「自動車部品においてタイの輸出入、インドネシアへの輸出が増えている。ベトナムにおいては衣服・見廻品・はきものの輸入が増加」
「自動車部品が増えているということで、特定の会社の貨物が増えていることは容易に予想が付きます。大手自動車メーカーは専用ふ頭を所有していますが、自動車部品でも自分たちの費用で必要な港湾施設を整備してもらうべきではありませんか?」
「現在コンテナ貨物が主流となっており、自動車部品だけではなく様々な分野の貨物があり、それらを公共性の高いコンテナターミナルで取り扱うことで荷主ニーズに合わせた多頻度・多航路のサービスを提供できると考えている」
「飛島ふ頭北コンテナターミナルの取扱個数が少ないままなのはなぜですか?」
鍋田ふ頭コンテナターミナル第3バースが平成24年度に供用されたことにより、飛島北コンテナターミナルからシフトした貨物があることなどによるもの」
「この北ターミナルを含めて飛島ふ頭内4ターミナルトータルでは平成26年で147万、ピーク時の平成20年の165万に比べて18万少なくなっています。鍋田ふ頭が混雑していることは承知していますが、飛島ふ頭の4ターミナルトータルで、現在の施設のままという前提ではどのくらいまでコンテナ取扱個数を増やせるのですか?」
「作業効率や搬送効率などを向上させる運用方法によっても変動することから、一概に述べることは困難」
「港湾計画改定案ではコンテナが257万から370万に113万も増えると見込んでいます。港湾計画改定案の目標年次である平成30年代後半には、航路別の取扱コンテナ個数をどう推計むしているのか?」
「東南アジア航路が約150TEU、近海航路が約120万TEU、北米・欧州の基幹航路が約90万TEU、その他航路が約10万TEU」
各回答に対して、「特定の大手自動車メーカーのための港になっているのではないか」「名古屋港の発展のためにはアジアとの友好関係が非常に重要であることが取り扱い貨物量からもわかる」「本会議でも質問があったことに答えがなかったのはなぜか、そんなあいまいなものでは賛成できない(一般会計予算)」などの意見も発言しました。
最後に、委員会として、各議案に対して本会議に付すかどうかの採決を行い、第9号議案(一般会計予算)以外は全会一致で賛成となりました。(第9号議案は高橋が反対)