療育センターをめぐって

今日は「地域療育センタへの早期建設を実現させる会」の皆さんと市当局との懇談の場に同席をしました。

「療育」という言葉、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、障害を持つ子どもが早いうちから専門的な支援を受けることで、社会的な自立ができるようにという目的で行われる医療と保育のことです。

発達障害など、以前に比べて認知度は上がってきたもののまだまだ理解されているとまではまだまだ言えない状況。そんな中で療育センターというものがあることは、子どもだけではなく親にとってもとても大事なものとなっています。

名古屋市は保育所の待機児童はゼロとなっています(と言っても保留児など諸々の課題があります)が、療育センターに入園したくても入園できない児童は今年の3月末時点で(市の把握数として)18人。これは療育センターの定員の約5%にも上る人数です。今後、すべての療育センター入園希望児童を受け入れるために、まずできることとして、定員の1.1倍の受け入れを行うということをしているということでしたが、職員加配などはなし。ただでさえ少ない職員数。給食時には保育士自身がお昼を食べる余裕もなく子どもの食事援助をしている状況もある中で、このようなことでは職員が倒れてしまうのではないかと心配だという声が保護者の方からも出されました。

また、現在、社会福祉法人も療育センターを運営しているところがありますが、こうしたところに出されている運営補給金が今年度より制度が変わり、これまでは子どもの出席率に応じて出されていたものが今年度は82%、来年度は85%、再来年度は88%の出席があると見做した補助となりました。

重度の障害を持っている場合や病弱の場合、どうしても欠席することが多くなってしまいます。そういった子どもたちを受け入れていくと補給金が足りなくなってしまうこと、その足りない分は法人でどうにかしてほしいと言われるのは納得できない、市だけでは運営できないからと法人でもやってほしいということから運営しているのに、子どもを選ぶようなことにつながってしまうのではないか、と施設職員、そして保護者から訴えがありました。

市としても、療育が必要だと認識しているという回答がありましたが、それはやはり利用している人の声が市に届くことで、その切実さが伝わっての回答でもあったように感じます。名古屋市の大切な障害を持った子どもが、親が安心して社会に出られる、そのことをしっかり考えていかなければと強く感じています。