現在、学校現場には多くの非常勤講師が配置されています。
(呼び方は地域によって様々ありますが)
学校の授業を担当する非常勤講師ですが、実際に契約時間以上に働いているということが、往々にしてあります。そして残業代は支払われていないことが一般的です。
正規教員や常勤講師については、給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)によって、残業は命じられないこととし、同時に基本給の4%の「教職調整手当」によって日々の勤務時間外に行う分について支給している形をとっています。
※ 例外として4つのケースについては残業を命じることができるとしています
イ 校外実習その他生徒の実習に関する業務
ロ 修学旅行その他学校の行事に関する業務
ハ 職員会議(設置者の定めるところにより学校に置かれるものをいう。)に関する業務
ニ 非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務
しかし、非常勤講師の場合はこのケースに当てはまりません。したがって、残業が生じた場合には、残業代を支払う必要があります。このことについては、国会で、本村伸子衆議院議員が取り上げています。
リンク
会計年度任用職員の待遇改善と正規職員増員のための財源確保を
質問日:2020年 2月 27日 第201国会 総務委員会
ここで取り上げているのは、名古屋市の非常勤講師のケース。
実は、名古屋市の非常勤講師が昨年、労働基準監督署に未払い残業代の支払いを求めて訴え、監督署から教育委員会に対して、是正勧告がなされているという事件があります。
しかし名古屋市教育委員会は、勧告が出されてから7か月経った現在も、いまだ未払い残業代の支給はしていません。それどころか、残業代の未払いがあったケースは訴えた4人の非常勤講師のみで、他の非常勤講師については勤務時間は適正に管理されているため、残業は発生していないというとんでもない回答を監督署に出しているということも明らかに。
よく「教育現場はブラック職場だ」と言われますが、監督署からの指導もやり過ごそうとする態度には正直怒りを感じざるを得ません。
監督署に訴えた4人の方々は、「別に残業代が欲しいから訴えたわけではありません。教員の長時間労働の実態を知ってもらい、本当に子どもたちにとってより良い教育をするための環境を整えてもらいたいとの思いで訴えました」と話します。
真面目に働く人が使い捨てにされる、そんなことを行政が主導するなどということがなくなるようにしていかなければと思っています。